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はじめに
胎生期における脳血管の発生は,そこから将来的に代謝基質の供給を受けることになる脳側の各発生段階と密接な関係をもつ。しかもここには,血液循環動態が関与し,これもまた発達・成熟という経時性をもった機能的要因をその特徴のひとつとする。脳血管の発生は,神経管がその原形を呈する頃には開始され(transition from the prevascular to the vascular period),同時に中枢神経はさらに細胞増殖から分化,移動,そしてニューロンの成熟に至るまで段階的に形態を整えていく。これに付随して,脳循環も機能の完成の過程において,この脳血管とニューロン成熟の特徴に大きな影響を受ける。
本章では,脳血管の発生の特徴とともに,胎児期を含め発達期にある幼若脳における脳循環動態の特殊性につき,最近の見解をまとめた。脳血管の発生学的背景とともに,発達段階における胎児,出生,新生児,乳児の各過程には,きわめて複雑な脳循環動態の変化が生ずることを強調した。
The intracranial vascular development in the fetal period is closely related to the neuronal maturation process in the brain. The classical classification by Streeter devides the development into the following stages ; ○ First Stage : (Fetus 2 weeks of the gestational age : CR 1.5-2.5mm) Primordial endothelial vascular plexus, mesenchymal tissue hemangioblast endothelial cells, primitive vasculogenic cells, endothelial vascular meshwork.
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