Japanese
English
原著
基底細胞母斑症候群
BASAL CELL NEVUS SYNDROME
長島 正治
1
,
田中 玲子
1
Masaji NAGASHIMA
1
,
Reiko TANAKA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Mecticne, Keio University
pp.27-37
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201254
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5歳男児の基底細胞母斑症候群の1例を報告し,本症候群の臨床症状・病理組織所見・鑑別診断・予後および治療などにつぎ,文献的考察を加えて概説した.
自験例には,ほぼ全身対側性に無数の禍色ないし黒褐色,罌粟粒大から粟粒大の丘疹がみとめられ,稗粒腫様皮疹も多数これに混在した.褐色丘疹は組織学的に豊富な間質を伴ない,毛嚢分化傾向を示す基底細胞母斑で悪性像はみとめられなかつた.
掌蹠小陥凹・顎骨嚢胞・二分肋骨などの異常はみとめらねなかつたが,軽度の前額突出・眼球突出・高口蓋・多数の禹歯・鼠径ヘルニア・脳波異常を合併した.染色体検査に異常なく,副甲状腺機能も正常であった.
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