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前脳基底部病変と記憶障害について解説し,前脳基底部健忘の自験症例2例を報告した。前脳基底部の核群および連絡線維は,コリン作動性およびドパミン作動性の投射により,側頭葉内側部などの大脳皮質や皮質下構造と強い結合を持っていることを,また前脳基底部は,外側辺縁系記憶回路と強い関連をもっていることを指摘した。前脳基底部健忘の責任病巣としては,(1)コリン作動系であるBroca対角帯核・中隔核の損傷とその側頭葉内側部への遠隔効果,(2)ドパミン系の関与する側坐核の損傷と線条体・淡蒼球系の障害の二つが考えられる。さらに,前脳基底部健忘の特徴に関連して,前脳基底部のもっとも重要な役割は,記憶情報を時間的空間的に連結することであるという仮説を紹介した。自験例から,健忘の責任病巣としての(1)の仮説を支持する画像所見を示し,前脳基底部健忘における場所の記憶錯誤が注意の制御機能と関連が深いことをリハビリテーションの所見を通じて示唆した。
The basal forebrain is a heterogeneous set of various neural structures, in which the septal nuclei, nucleus accumbens, the nuclei of the diagonal band of Broca and nucleus basalis of Meynert (substantia innominata) are key components and are essential for memory processes. These nuclei provide the cholinergic projections to the memory-relevant brain regions, specifically to the hippocampal formation.
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