Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
サッケードと眼振急速相は,いずれもきわめて速いステップ状の眼球運動で,新しい視覚目標に視軸を向ける役割を果たす。サッケードは,視覚外界を探索する自発性の運動として頻繁に観察されるほか,視標の位置が突然変化した時や,視野に新しい視覚目標が現われた時,また随意的に注視点を移す時にも起こる。前庭性眼振は,頭部回転刺激により誘発される運動で,前庭動眼反射による代償性の緩徐相と,これと逆向きの急速相が交互に生ずる。眼振の急速相は,緩徐相により生じた眼球変位をリセットし,頭部が回転しこれから対面する方向に視線を移す機能を持つ。サッケードと眼振急速相は,その速度,時間経過が互いによく似ているだけでなく,その脳幹神経回路に共通部分の多いことが知られている。この共通の回路はサッケード・ジェネレータあるいはバースト・ジェネレータと呼ばれる。頭部を固定した状態でのサッケードや,暗闇で頭部を回転した時の急速相のように,これらの急速眼球運動はそれぞれ視覚入力と前庭入力単独でも起こりうる。しかし,外界のどこかに注意をひくような視覚刺激が現れたとき,頭部が固定されていなければ,通常頭と眼は協調して刺激の方向に向く。
For rapid eye movements such as saccades and quick phases of nystagmus, ocular motoneurons of the agonist muscle exhibit a burst of spikes and those of the antagonist cease or decrease spike discharges. These changes in motoneuronal activity are caused by inputs from burst neurons that exhibit a burst discharge in association with rapid eye movements. Burst neurons are direction specific, and the burst contains appropriate information about parameters of on-direction component of rapid eye movements.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.