Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Fasciculationは神経原性の疾患において見られる症候であり,とくに筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)では豊富に見られるということは,神経学における長年の常識と言ってよく,今日でもなお,ALSの臨床診断を下すにあたって重要な根拠の一つとされていることは言を待たないであろう。しかしながら,正常人においてもfasciculationがしばしば自覚されることもまた,紛れもない事実である。ならば,どのようなfasciculationが見られたときに診断的価値があるのであろうか。このような基本的命題に対しての確実な解答が実はまだないのである。まして,fasciculationの発生機序についてはまだまだ未解明であると言ってよい。たとえば,通常ALSの障害部位は脊髄前角であると考えられていることから,fasciculationの発火も前角レベルから生じていると信じられがちであるが,後述のように近年の研究からはほとんどのfasciculationの発火の起源は遠位側軸索にあることがほぼ確実視されるに至っていることは,少なくとも本邦ではまだ周知のこととなっていないように思われる。
Clinical and electromyographic features of fasciculations are described and their origin and mechanism are discussed based on the personal experience and the review of the literature.
1. Fasciculation vs. contraction fasciculation
The most important point to diagnose fasciculation is that it is “spontaneous”. Fascicular twitching accompanying voluntary contraction should be called “contraction fasciculation”, according to Denny-Brown and Pennybacker (1938).
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.