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はじめに
インターロイキンは免疫系細胞の分化・増殖因子であるが,その産生細胞および作用を受ける細胞が免疫系細胞に限らないことが明らかになり,今日では一般にサイトカインと呼ばれるようになった。サイトカインは免疫系細胞ばかりではなく,神経系の細胞に様々な作用を及ぼすことが分ってきた。たとえば,インターロイキン(IL-1),腫瘍壊死因子(TNF),インターフェロン(IFN)は視床下部ニューロンに作用し,発熱,食欲低下,睡眠誘導をひき起こす。これらは,免疫系細胞による産物が血液を介して視床下部ニューロンに直接作用する結果であると考えられている。しかし,最近,サイトカインの多くが神経系細胞によっても産生され,神経系細胞がその受容体を発現していることが分ってきた。したがって内因性のサイトカインも作用しうると考えられる。ここでは,神経系細胞によるサイトカインの産生と受容体発現について述べ,その意義を考察する。
Interleukins (or cytokines) are produced by various cells in the nervous system. IL-1 is produced by astrocytes, microglia and endothelial cells. mRNA of IL-1 is shown in neurons. IL-5 and IL-6 are produced by astrocytes and microglia. GM-CSF, G-CSF and M-CSF are produced by astrocytes. TNFα, INFα, β, and TGFβ are also produced by astrocytes.
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