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はじめに
現在,神経心理学において,構成行為と呼ばれているものは,筆記用具とかマッチ棒やブロックデザインや三次元積み木の組み合わせを用いた描画や模写などである。ただし,これらの構成の手段が,すべて同じ神経心理学的過程の組み合わせをたどる必要があるかどうかは明らかではない。描画と模写という課題が,まったく同じ神経心理学的過程の組み合わせをたどるかどうかも明らかではない。
Kleist1)によれば,構成行為が通常の失行で問題となる敬礼や道具使用などと異なるのは,動作の結果構成されたものが作品として独立して存在するという点である。この作品が障害されている場合を構成障害と呼ぶ。構成障害は,高次神経機能障害に限っても,様々な原因で起こると考えられる。たとえば,半側空間無視では,自発描画でも模写でも,構成されたものの主に無視側に欠落や歪みや構成部分の配置の誤りがみられる。Bálint症候群2)でも,やはり描画障害が記載されている。
Constructional disturbance is caused by various neuropsychological disturbances.
First, visuospatial disorders such as hemispatial neglect, Mint syndromes are known to cause constructional disturbance. Second, many authors reported constructional disturbance in apraxic patients. Liepmann ascribed their constructional disturbance to apraxia itself. As some observations of apraxic cases (unilateral and bilateral) show no remarkable constructional disturbance, it is not certain whether apraxia cause remarkable constructional disturbance.
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