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はじめに
呼吸性ニューロン(Respiratory neuron)とは呼吸リズムに同期して活動するニューロンの総称である。呼吸リズムの生成に関与するニューロン,呼吸関連筋の収縮を引き起こす運動ニューロン,呼吸運動が起こった結果として活性化される感覚ニューロンや中継ニューロンなどが含まれる。また呼吸性ニューロンにみられるリズムの強さも様々である。紛うことのない呼吸リズムを持ち呼吸運動への一義的関与が明白なニューロンから,加算平均してはじめて呼吸性のリズムが顕在化するニューロンまで存在する。その意味での呼吸性ニューロンは,延髄以外にも大脳皮質から脊髄に至るまで中枢内に広く存在する。その中でもっとも良く調べられているのは,延髄の呼吸性ニューロン群である。延髄は強力な呼吸リズムを持った様々な種類の呼吸性ニューロン群を含み,呼吸運動の中枢をなす。
本稿では,延髄の呼吸性ニューロン群について,機能と形態の面からどのような種類が存在しどのように分類されるかを概説する。その際に細部にこだわらず,できるだけ呼吸性ニューロン群の全体像を明らかにするように心がける。個々のニューロンに関する詳細は原著や他の総説を参照して頂きたい6,8,14,27,38)。
Respiration is one of the most basic rhythm of life. The neural mechanisms responsible for the respiratory rhythm reside within the medulla, where there are various types of respiratory neurons, defined as neurons which fire in synchrony with respiration. This article reviews what kinds of respira-tory neurons are found in the medulla and how these respiratory neurons are classified based on their locations, firing patterns, input-output organizations, and functional roles.
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