特別企画 対話の時代の臨床倫理 ジレンマ・メソッド入門
構造化された倫理カンファレンスを目指して—ジレンマ・メソッドに学ぶ
田代 志門
1,2
1東北大学大学院文学研究科社会学専攻分野
2国立がん研究センター中央病院臨床倫理支援室
pp.556-570
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200496
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ジレンマ・メソッドとは
「倫理的ジレンマ」への焦点化
ジレンマ・メソッドは、MCD(moral case deliberation)と呼ばれる臨床倫理の事例検討法のひとつであり、オランダを中心にいくつかの欧州諸国で実施されています。日本では近年、北米型の個人コンサルタントによる助言・推奨という臨床倫理サポートとの対比でその可能性が注目されるようになりました1。
その実際を一言で言えば、「医療者が直面している倫理的ジレンマについて、当事者の誰か1人が事例提供者となり、訓練されたファシリテーターによって多職種での話し合いを進める」というものです。10名程度の参加者が車座になって45〜90分程度かけて特定の手順に沿って1つのジレンマを話し合います。
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