連載 目から鱗のがん薬物療法—薬学的視点からみたケーススタディ[10]【最終回】
リツキシマブ—Infusion-related reactions(IRRs)対策の再構築と個別化
葉山 達也
1
1日本大学医学部附属板橋病院薬剤部
pp.178-180
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200394
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リツキシマブIRRsの発現頻度
・IRRs(infusion-related reactions)は別名サイトカイン放出症候群とも呼ばれ、非アレルギー性に生じるもので投与薬剤がNK細胞やT細胞などと結合し、TNFαやIL-6などのサイトカインを放出することによって発現します。主な症状として発熱・皮疹・呼吸苦などが出現し、時に生命を脅かす重篤な過敏反応です1。
・主な原因薬剤としてはリツキシマブを代表とするモノクローナル抗体製剤が挙げられます。リツキシマブの主な適応疾患はCD(cluster of differentiation)20陽性B細胞性非ホジキンリンパ腫であり、欧米・わが国ともにR-CHOP療法が長年にわたり現在においても標準療法として施行されています。
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