今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
I 不妊の検査・診断 B卵管因子
【腹腔鏡検査】
19.どのようなときに,どのようなタイミングで腹腔鏡検査を導入すべきか教えてください.
沖 利通
1
1鹿児島大学医学部産婦人科
pp.383-387
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102008
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[1]はじめに
1990年代半ばまでは,アメリカ生殖内分泌医の89%は不妊初期検査として腹腔鏡検査を行ってきた1).子宮卵管造影(hysterosalpingography:HSG)で卵管異常が認められた場合は速やかに,正常の場合は最終確認の意味で腹腔鏡検査が行われていた.
しかし,95年以降は体外受精胚移植(in vitro fertilization:IVF)の妊娠率が20%となり,卵管性不妊に果たす腹腔鏡の役割は急激に縮小した.ASRM2006の報告2)は,「不妊検査おける腹腔鏡検査の対象は,子宮内膜症や骨盤付属器癒着の証拠があるか強く疑われるときに行う.あるいは,明らかな卵管病変があるときも行う」とし,腹腔鏡の適応範囲は狭くなった.本稿では,腹腔鏡検査の導入時期の原則と各論を述べる.
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