特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part4 がんの進行と地域医療介護・在宅ケア—局所から全身へ
骨転移を伴う進行がんの薬剤管理—必要なケアと在宅での管理
岩西 雄大
1
1大阪国際がんセンター薬局
pp.512-514
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200347
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
薬剤管理は非常に大切である。入院中であれば患者の意識も高く、看護師を中心に日々の薬剤管理をサポートしてくれるため、多くの患者はしっかり薬剤管理をすることができる。しかし、退院してしまうと入院中にできていた薬剤管理ができなくなってしまうことが少なくない。服薬に対するモチベーションの低下や、医療者による継続したサポートを受けることが難しいことが原因のひとつとして考えられる。特に、予防投与については、頭でその必要性がわかっていても、実際に症状が出ていない、または進行がんという衝撃を受けた患者の心理状態を考慮し服薬の意義を見いだし、良好な服薬アドヒアランスを維持するためにも、医療スタッフによる介入は必須と考えられる。服薬は入院という特殊な条件のときのみできていても意味がなく、患者が退院して、自宅や施設などでも入院時と同等の薬剤管理を継続できることが大切である。医療スタッフは、その患者に関わる人が協力できる環境を整えることまで見据えて介入する必要がある。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.