特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part4 がんの進行と地域医療介護・在宅ケア—局所から全身へ
骨転移を伴う進行がんの栄養サポート—がんに必要な食事と管理
松岡 美緒
1
1大阪国際がんセンター栄養管理室
pp.498-501
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200344
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骨転移を伴う進行がんに対する栄養
骨転移を伴う進行がんにおける栄養では特定の栄養素を積極的に摂取する必要はなく、治療継続やQOL維持を目標とした栄養状態の維持を目的とする。
栄養はまず、日常生活を送るにあたって必要な栄養素の摂取を基本とし、そのうえで原疾患あるいは併存疾患(糖尿病、高血圧、腎疾患、肝疾患など)に対する栄養療法を考慮する。そして、治療における食思不振や消化管症状など、有害事象の出現といった短期的な変化に対する栄養摂取の配慮と、今後想定し得る病状変化を見据えた長期目線の栄養摂取の2つの目線を加える。更に、骨転移を伴う場合では安静度やリハビリテーションの強度、ADLの到達目標などに応じて、必要な栄養摂取を設定することになる。患者のなかにはさまざまな食品を「がんに効く」として制限したり積極的に摂取したり強いる場合があるが、厳しい食制限は摂取量減少や栄養素の不足につながり、栄養状態の悪化を招く恐れがある。またいわゆる健康食品やサプリメントは医薬品との相互作用の問題が生じることがある。内容や実践の程度を評価し、患者自身に不利益とならないよう適切な情報提供が必要となる。
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