Feature Topic がん診療のコスト原論
扉
pp.221
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200186
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医療とお金。考えるにも面倒な組み合わせです。
抗がん剤の高額薬価が一時期社会を賑わせました。
ニボルマブに代表される免疫チェックポイント阻害薬はその医学的な達成度とは別に、経済的・社会的意義を問われる薬となったのです。
「費用対効果」という耳慣れた言葉が各学会や専門誌上で飛び交い、国の薬価制度見直しまでその影響力を及ぼしました。
結果、ニボルマブの薬価は半額となり、コスト問題はその姿を消していきます。
しかし、このコスト問題は本当に収束したのでしょうか?
そもそも医療における「費用対効果」とは?
ニボルマブが私たちに突き付けた医療コスト問題は、これまでの「医療とお金」のパラダイムを一変させたように思えます。
そこで本特集では、「がん診療のコスト原論」と題し、このコスト問題を今一度考え直します。
医療経済の歴史から、そして現場の視点から、または社会学の知見から。
この原論をもとに、これからのがん診療を考えてみたいのです。
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