連載 フロンティア・リポート[3]
時は金なり—質量分析法を利用した迅速外科病理診断支援
竹田 扇
1
,
新間 秀一
2
1山梨大学大学院総合研究部解剖学講座細胞生物学教室
2大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻
pp.398-403
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200101
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来るべき迅速外科病理診断支援
臨床現場、特に手術室や検査室で重要なことはなんでしょうか。もちろん、この問いかけはあまりにも漠然としてはいますが、「迅速性」「簡便性」「再現性」などは必ず挙がってくるのではないかと思います。例えば迅速病理診断よりも早く結果が出れば手術時間も短くなり、患者さんの負担を軽減できます。さらに麻酔費用が浮き、医療費削減にも貢献するのです。まさに「時は金なり」です。
前回(vol.2 no.1 pp.190-195)、前々回(vol.1.no.1 pp.147-151)と新間秀一先生(大阪大学)より質量分析の臨床応用についてわかりやすい紹介がありました。いずれも優れた性能の装置ですが、今回はこれらと異なった迅速性や簡便性をもつ機器開発とその臨床応用の展望についてお話しします。この装置は山梨大学と島津製作所が中心となって製作されたⅰもので、現在治験に向けて準備を進めており、承認後は純国産の医療機器として上市される予定となっています。
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