連載 スキルとしての支持療法[2]
「神経障害」篇
奥山 浩之
1
,
辻 晃仁
1
,
加藤 俊介
2
1香川大学医学部臨床腫瘍学
2順天堂大学大学院医学研究科臨床腫瘍学・順天堂大学医学部腫瘍内科学研究室
pp.382-386
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200098
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はじめに
根治治療が困難な患者さんに対する治療アプローチでは、患者さんと医療従事者の間で共通の治療目標をシェアし、更に治療の開始から終末期に至るまでの治療計画を俯瞰したうえで、多種多様な薬物療法を駆使して患者ニーズに合った治療を提供することが求められます。
もちろん実臨床では、さまざまな合併症や複雑な社会的背景、あるいは薬物療法による有害事象により、治療コンプライアンスを確保するのが困難な例も決して少なくありません。
今回取りあげる神経毒性は、中枢神経障害と末梢神経障害に大別され、なかでも末梢神経障害は抗がん薬の毒性のうち比較的頻度の高いものとして知られています。また、末梢神経障害は生命に関わることは少ないものの、後遺症となることも多く、生活の質を著しく損なう危険性も高い副作用です。本稿では、がん薬物療法の安全な実施のための神経毒性の予防やマネジメントのポイントを紹介します。
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