Feature Topic 早期緩和ケアの正体
ブックガイド
緩和ケアを知る・考えるためのブックガイド
久禮 亮太
1
1久禮書店
pp.92-95
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200048
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緩和ケアとは何か—。その答えは、本の中にあるのかもしれない。
緩和ケアにまつわる生と死の関係を、一冊の本から考えてみてはどうだろう。
死を想う。—「死にゆく私」の言葉。
死の最期に、人はどれだけのことを語ることができるのでしょうか。ジョン・ウィリアムズによる『ストーナー』(作品社)は20世紀初頭アメリカを生きたある文学教授の凡庸な一生を綴ったにすぎない小説です。しかし、この本は、世界中の読者の胸に静かに刺さりました。訳者の東江一紀氏は緩和ケアを受けながら、死の前日最後の1ページを残すところまで本書と向き合いました。主人公がその最期に生を振り返る描写と訳者のそれが重なります。
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