特集 今伝えたいクリニカル・パール—つくり方、使い方、活かし方
【継承された“とっておきパール”】
❾嘔吐がなく増悪傾向のない正中部の腹痛は重篤なことが少ない
原田 拓
1
1練馬光が丘病院 総合救急診療科
キーワード:
腹痛
,
嘔吐
,
腹膜刺激徴候
Keyword:
腹痛
,
嘔吐
,
腹膜刺激徴候
pp.1049
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204997
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上記は、過去の職場の上司から教わったものです。正中部の痛みに波がある腹痛で、腹膜刺激徴候や増悪傾向や嘔吐がなく、鎮痛も成功しているならば、経験上、重篤な疾患の頻度は少ないというパールでした。
急性腹痛の診療において、重篤な疾患を見逃さないことは大前提で、それを否定するつもりはありません。しかし、「重篤な疾患が否定できないから」という理由ですべての急性腹痛患者にCT撮像をするわけにもいきません。したがって、CTの検査前確率が低い、あるいはCT検査を行わずにフォローアップをする患者さんをどのように判断するかというのは臨床的に重要な課題と言えます。
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