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病歴
患者:75歳、男性 主訴:右季肋部痛
現病歴:2週間持続する、右背部から右季肋部にかけての疼痛を主訴に総合内科外来を受診した。誘因不明の急性発症で、ピリピリした放散しない痛みがNRS(numerical rating scale)7前後で持続していた。出現してから1週間ほどで、痛みは右背部から右季肋部に移動した。姿勢による影響はなかった。深呼吸もできるが、呼気時に軽度増悪した。咳や痰はあるが、以前から存在していた症状であり、頻度や量は変わらなかった。
既往歴:高血圧、慢性腎臓病、珪肺。
SLE(全身性エリテマトーデス);受診の7年前に、抗核抗体と抗ds-DNA抗体陽性、低補体、血小板減少を伴う胸膜炎を発症してSLEと診断された(SLE disease activity index:SLEDAI 19点)。下記の治療によって、抗ds-DNA抗体・低補体・血小板減少は消失して、来院時 SLEDAI 2点であった。
治療歴:SLEの診断後、プレドニゾロン(PSL)1 mg/kg+シクロホスファミド静脈注射500 mg 4回で治療された。6年前アザチオプリン50 mgへ変更、さらに、タクロリムス3 mgが追加された。PSLは漸減中であった。なお、ヒドロキシクロロキンを投与されたこともあったが、発熱がみられたため中止されていた。
内服歴:PSL 5.5 mg/日、アザチオプリン100 mg/日、タクロリムス2.5 mg/日、ST合剤0.5錠/日、デキストロメトルファン90 mg/日、アムロジピン5 mg/日
生活歴:喫煙は20本/日×50年、飲酒はビール大瓶1瓶/日×41年、それぞれ64歳まで。職業は60歳まで水道業。要支援2で車椅子、家では杖歩行。トイレと風呂は自立。むせなし。更衣自立
家族歴:特になし
ROS陰性:発熱、食欲低下、体重減少、浮腫、胸痛、呼吸困難、腹痛、悪心、下痢、便秘、関節痛、皮疹、抑うつ
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