特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑨「頸椎症」かと思ったら…!?
鋪野 紀好
1,2
1千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学
2千葉大学医学部附属病院 総合診療科
pp.268-269
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204702
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Case
患者:70歳、女性
主訴:右肩の痛み
既往歴:糖尿病、高血圧症
内服:ビルダグリプチン100mg/日、メトホルミン1,500mg/日、アムロジピン10mg/日
嗜好歴:喫煙なし、機会飲酒
現病歴:前日の夕方より、右頸部〜上腕にしびれ・痛みが出現した。その後、様子をみていたが改善せず、痛みのために夜間眠れなかった。特に枕の変更はなく、首を動かしても痛みの悪化はない。翌日、内科の定期受診日であったため来院した。
痛みの分布を確認すると、デルマトームのC6〜8領域のあたりに「アロディニア」が認められた。cervical compression testなどの頸部神経根症状誘発テストは陰性であった。同日、頸部X線を撮影した(図1)。
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