シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑨人工内耳埋め込み術
三浦 誠
1
1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.975-982
発行日 2006年11月20日
Published Date 2006/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100806
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Ⅰ はじめに
2003年度から全国82の特定機能病院の入院病床においてdiagnosis procedure combination(DPC)による包括的診療報酬制度が導入されたが,その後,試行的適応病院62施設,DPC包括払い希望の調査協力病院216施設にも広がりをみせ,2006年6月現在合計360施設がDPC対象病院となっている1)。DPCの大きな特徴は包括評価であることおよび入院期間に応じた報酬が特に入院の初期に重点的に評価されている点にある。
したがって,DPC対象の病院では必要な医療をできるだけ効率的に提供し,漫然とした長期入院をなくすことが求められ,クリニカルパス(以下,パスと略す)の重要性が大きい。パスの活用によりどの段階で,どのような治療や検査が行われ,どの薬剤や材料が使用されるかが明確になり,適切な医療の提供のための必要なコスト管理・分析が容易になると考えられている1)。
本稿では当科で施行されている人工内耳埋め込み術のパスを紹介し,その有用性と問題点,DPCとの関連について述べる。
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