特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門
扉
片岡 仁美
1
,
藤井 智香子
2
1京都大学 医学教育・国際化推進センター
2岡山大学病院 小児科・小児心身医療科 ダイバーシティ推進センター
pp.1034-1035
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204437
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わが国では、「発達障害(神経発達症)」の有病率が近年特に上昇している。
文部科学省による小・中学校教員に対するアンケート調査※では、知的発達に遅れはないものの「発達障害」の可能性があり、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は6.5%、小学校1年生に限れば9.8%との結果であった。
一方、その概念が確立されたのは比較的最近であるため、成人を中心に診療している医師にとっては、馴染みが薄いかもしれない。
しかし、大人になってから疑いをもたれる方、小児期に診断されて成人になった方への対処、家族への接し方など、日常臨床で発達障害に関わる機会はいっそう増えると考えられる。
“difficult patient”と位置づけられる方への対応では、発達障害である可能性も考慮することで解決の糸口が見えることもあるかもしれない。
本特集では、各種の「発達障害(神経発達症)」の基本をアップデートするとともに、診療においてはもちろん、+αの場面でどのように対応するとよいか、第一線の専門家の方々に「ジェネラリストのため」にご解説いただいた。
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