特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q12 傍腫瘍症候群によるニューロパチーをいつ疑えばよい?
小野 大介
1
1東京医科歯科大学病院 脳神経内科
キーワード:
ニューロノパチー
,
傍腫瘍性ニューロパチー
,
傍腫瘍性神経症候群
Keyword:
ニューロノパチー
,
傍腫瘍性ニューロパチー
,
傍腫瘍性神経症候群
pp.190-192
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204161
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CASE
患者:81歳、男性。
主訴:亜急性に増悪する手足のしびれ感とふらつき。
現病歴:3カ月前より左手の先がしびれることに気づいた。2カ月前より四肢先端が軽くジンジンとしびれるようになった。1カ月前より歩行時にふらつくようになり、足元を見ながら歩くようになった。同時期より手先が不器用になり、箸が使いにくく、顔を洗う際に指が目や鼻の穴に入ってしまうようになった。1週間前、夜間にトイレに行くために電気をつけようとしたところ転倒してしまい、車椅子を用いるようになったため、家族に連れられて来院した。
既往歴:虫垂炎で手術(18歳時)。高血圧症に対して降圧薬内服中。
生活歴:飲酒歴:日本酒1合/日、喫煙歴:20歳より20本/日、偏食なし。
診察所見:バイタルサイン、一般身体所見に異常なし。神経学的には意識清明で、脳神経に異常なし。徒手筋力テストでは明らかな異常を認めない。指鼻試験では両側左優位に開眼時の測定障害と運動分解を認め、閉眼で増悪した。四肢腱反射は消失しており、Babinski反射・Chaddock反射は陰性だった。四肢にジンジンとした異常感覚を認め、左上肢で強かった。痛覚・冷覚は保たれていたが、両側内踝の振動覚を全く感じなかった。何とか立位保持はできたが、閉眼させると倒れてしまい、支えが必要だった。
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