Editorial
最先端の技術で“昔ながらの医療”を
山中 克郎
1
1福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科
pp.815
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203256
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
在宅医療を展開している山間部の奥会津(p.841)に車を走らせながら、こう考えた。AI(人工知能)の発達とともに、近未来の医療はどうなっていくのだろう? 生活の快適さを求め、大都市への人口集中が世界中で急速に進んでいる(p.844)。地域で最期まで家族と一緒に幸せに暮らすことはできるのだろうか?
エリック・トポル著『Deep Medicine』1)には、AIのディープラーニングを用いた医療の変革が描かれている。パターン認識力の向上により、AIは専門医と同等の水準で、CT/MRI画像の読影や病理診断、皮膚科診断を行うことができる。眼底写真読影による早期の糖尿病網膜症の発見、検診で撮影された胸部X線写真上の小さな肺がんの検出、自殺を精神科医以上の能力で予測することはAIを用いれば可能となる。専門医の仕事は楽になり、へき地においても医療水準を大きく引き上げるであろう。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.