特集 受精革命
合衆国における体外受精技術の最先端に触れて
佐々木 茂
1
1日本医科大学第一産婦人科学教室
pp.40-42
発行日 1983年1月25日
Published Date 1983/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206168
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はじめに
昨年の留学先であるウィスコンシン医科大学より,"客員教授"として招待するというありがたい招請を受けたため,私は再び昭和57年9月から2か月間ミルウォーキーの地を訪れる機会を得た。今回は今までの成果を学会や腫瘍症例検討会で発表したり,学生のセミナーで講義をするなど,きわめて忙しいスケジュールであり,またたく間に過ぎてしまった2か月であったが,しかし1年を過ごした住みなれた町でもあり,勝手知った大学ということで,私の方も以前にも増して欲ばった計画を渡米前からすでに立てていた。
そのうちのひとつが,私の細胞遺伝学に関してバックアップをして下さった片山准教授の恩師で,私自身もpost graduate courseで個人的に御指導していただいたHoward W. Jones Jr. 教授が行なっているin vitro fertilization(IVF,体外受精)をこの目でしっかりと見届けてくることであった。すでにin vitro fertilizationを実現しようとミルウォーキーからバルチモアに移っている片山准教授と共にバージニア州ノーフォークのEastern Virginia Medical Schoolを訪れたのは10月の初めのことであった。ノーフォークはワシントンから南へ250km,大西洋に面した港街である。
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