【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第15話
きちんと触る医者
國松 淳和
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1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
pp.802-807
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203251
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前回までのあらすじ 今月のナゾ
4月、また春が巡ってきた。今回からの新エピソードでは、黒野たちの病院の教育部長・吉田が、本連載第1回(2020年4月号)以来に登場する。「患者に触らない医者なんて、マズいだろう」。あの時、吉田は、そう苦言を呈するべく黒野を訪ねた。黒野は患者に触ると何かを感知し、自身の具合が悪くなるのだ。「みないことで、触れないことで、気づけることがある」とも黒野は言う(2020年6月号)。そんな黒野に、吉田は実は一目置いており…。好対照な2人の医師が再びまみえる。
患者は、手足の衰えと呂律の回りにくさを感じている高齢者である。すでに神経内科も受診しているが、特定の診断に至る身体所見は認められない。加齢なのか、疾患なのか? 筧の診察結果を聞いた黒野の診立ては? 病歴聴取・身体診察における筧のアプローチにも注目したい。
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