特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで
【Ⅰ章】「書くこと」で魅せるアウトプット—君に届けたい“文字”のかたち
医療の内と外とをつなぐために—医師だからこそできる「一般書」の書き方
夏川 草介
キーワード:
医師兼作家
,
日常と非日常
,
書くことと読むこと
,
川端康成
Keyword:
医師兼作家
,
日常と非日常
,
書くことと読むこと
,
川端康成
pp.593-596
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203153
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世の中には、「医師兼作家」の肩書きをもつ人が少なくない。今に限ったことではなく、古くは明治の森鴎外をはじめ、医業を営みながら表現者たらんとした人は多い。昨今では、描かれるジャンルも一般の診療風景にとどまらず、病理・法医・終末期医療などと多様化して、至るところで医師兼作家が活躍している。
本稿の執筆を依頼されたということは、私自身もその1人と数えられることになるのだろう。光栄な話ではあるが、しかし本音を言えば、私はこの肩書きをあまり好まない。冒頭から乱暴な話であるが、事実であるから仕方がない。小説を書き始めていつのまにか10年以上が過ぎているが、私自身は「作家」であったつもりは一度もなく、「医師」というものは何かと兼業で成り立つような職種ではないと思っている。
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