特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!
【外来と在宅で診ている下降期慢性疾患】
4.その他の疾患
❷進行した認知症の周辺症状(BPSD)への対応—薬物療法と非薬物療法
髙瀬 義昌
1
1医療法人社団至髙会 たかせクリニック
キーワード:
改善可能な認知症
,
せん妄
,
BPSDの薬物療法
Keyword:
改善可能な認知症
,
せん妄
,
BPSDの薬物療法
pp.721-724
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202655
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2025年には認知症者は730万人になるとの推計がある1)。認知症のうち、最も数の多いAlzheimer型認知症の最大リスクは加齢であり、超高齢社会を迎えた日本にとっては、必然の状況といえる。
ここで改めて認知症の定義について確認したい。「認知症とは一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときにみられる」(日本神経学会)とされる。認知機能低下の原因疾患は70以上あるともいわれており、そのなかには慢性硬膜下血腫や脳腫瘍、うつや薬剤によるものなども含まれる。私たちは、認知機能の低下があるとの訴えの際には、改善可能なものがあることを念頭に置き、それらを見逃さないことが重要である。そのうえで、日常生活・社会生活に大きな影響を及ぼすBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)、すなわち、認知症の行動・心理症状に対処しなければならない。
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