「総合診療」達人伝|7つのコアコンピテンシーとその向こう側・2
一般的な健康問題に対する診療能力—「日常病対応」の極意を求めて
名郷 直樹
1
,
奥 知久
1武蔵国分寺公園クリニック
pp.1386-1393
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202372
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はじめに
「EBMの伝道師」。名郷直樹先生のことを著書等でご存知の方も多いと思う。名郷先生は自治医大生時代に、EBM(一口メモ1)の古典的名著であるサケットの『Clinical Epidemiology』1)に衝撃を受け、EBMが臨床や教育の中でわれわれにとって身近な概念になるまで広く活動されてきた。現在は東京の郊外で診療所を運営されている。「EBMくらい知ってますよ。科学的根拠に基づいた医療でしょ?」。もしかしてそんなふうに思ってはいないだろうか? 師にお会いされた方はわかると思うが、この達人、一筋縄ではいかないのである。とてもひねくれている……いや、「ひねくれているのは一体誰なのか?(もしや私なのでは?)」と考えさせられてしまうのである。
本稿では連載第2回目として、「一般的な健康問題に対する診療能力」をテーマに、名郷先生の臨床風景とインタビューを通じて、日常病診療のコツと奥深さについてレポートしたいと思う。
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