連載 病院のことばとコミュニケーション――ポライトネス・ストラテジーの視点から・9
悪い知らせを伝えるときのコミュニケーション法
西﨑 祐史
1
,
橋本 久美子
2
,
徳田 安春
3,4
1聖路加国際病院 内科
2聖路加国際病院 総合医療相談室
3水戸協同病院
4筑波大学附属地域医療教育センター 総合診療科
pp.886-890
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101577
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はじめに
医療者は医療現場において,癌の告知をはじめ悪い知らせを伝えねばならない状況にしばしば直面する。癌であることを知れば,患者は落胆し,多大な精神的ストレスを受けることが予想できる。
患者の精神的負担を最小限にするために,どのように振る舞えばよいのだろうか? 伝える時間は長いほうがよいのだろうか? 場所はどのようなところがよいのか? 患者との距離はどのくらいがよいのか? 話すときの態度や姿勢はどうするべきか? このような状況に関しての適切な知識や技術は医学部,看護学部ではあまり教わる機会がない。
そのようなスキルの土台には,基礎的な医療コミュニケーション方法があることを再度確認する必要があるが,悪い知らせを伝えるときのポイントは6つのステップに分けて考えると整理しやすい。
今回は,患者に悪い知らせを伝えるときのコミュニケーション法について,基礎的なコミュニケーションスキルの確認をするとともに,6つのステップを紹介する。それに加え,効果的なポライトネス・ストラテジーの応用方法も併せて解説する。
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