特集 糖尿病のリアル—現場の「困った!」にとことん答えます。
糖尿病リアルQ&A
—Q6 ひと目でわかる合併症—「え!? これも糖尿病の合併症だったの?」
三浦 順之助
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター
キーワード:
後天性反応性穿孔性皮膚症
,
ARPC
,
慢性高血糖
,
AGEs
,
最終糖化産物
,
酸化ストレス
,
Dupuytren拘縮
,
糖尿病手症候群
,
DHS
Keyword:
後天性反応性穿孔性皮膚症
,
ARPC
,
慢性高血糖
,
AGEs
,
最終糖化産物
,
酸化ストレス
,
Dupuytren拘縮
,
糖尿病手症候群
,
DHS
pp.346-349
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201397
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後天性反応性穿孔性皮膚症
Case1
腎不全保存期に発症した後天性反応性穿孔性皮膚症
患者:30歳代、男性。2型糖尿病。
主訴:易疲労感、労作時息切れ。
家族歴:母・祖母に糖尿病。
現病歴:15歳で糖尿病を指摘された。食事療法のみで血糖コントロ—ルは改善し、治療を中断。16歳時に高血糖を指摘され内服治療を開始したが、再度治療を中断。
26歳時に職場の健診で眼底出血を指摘され、近医眼科で光凝固術を施行。内科に通院するも、血糖コントロールは不良であった。29歳時に蛋白尿を指摘され、インスリン療法を開始。30歳時に腎機能低下、31歳時に腎不全が進行し血清クレアチニン6mg/dL台まで上昇したため、当科に紹介された。
受診時、瘙痒を伴う半米粒大から小豆大の角化性丘疹の多発を、ほぼ全身に認めた(図1ⓐ)。透析導入基準を満たしたため、入院後透析を開始した。皮膚病変は皮膚生検を施行して、「後天性反応性穿孔性皮膚症(ARPC)」と診断した。抗ヒスタミン薬の内服と週2回の維持透析を開始。退院後は週3回の維持透析を継続した。同皮疹は徐々に改善し、8カ月後には瘙痒感はほぼなくなった1)(図1ⓑ)。
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