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特集 精神科医療の必須検査—精神科医が知っておきたい臨床検査の最前線
パニック症の鑑別診断—身体疾患や物質・医薬品によるパニック発作をどう見抜くか
Differential Diagnosis of Panic Disorder:How to Detect the Panic Attack Induced by Medical Condition or Substance/Medication
川村 清子
1
,
塩入 俊樹
1
Sayako Kawamura
1
,
Toshiki Shioiri
1
1岐阜大学大学院医学系研究科精神医学分野
1Department of Psychiatry, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
キーワード:
パニック発作
,
panic attack
,
過呼吸症候群
,
hyperventilation syndrome
,
甲状腺機能亢進症
,
hyperthyroidism
,
心肺疾患
,
cardiopulmonary conditions
,
DSM
,
Diagnostic and Statistical Manual of mental disease
Keyword:
パニック発作
,
panic attack
,
過呼吸症候群
,
hyperventilation syndrome
,
甲状腺機能亢進症
,
hyperthyroidism
,
心肺疾患
,
cardiopulmonary conditions
,
DSM
,
Diagnostic and Statistical Manual of mental disease
pp.922-930
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207016
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抄録
パニック症(panic disorder:PD)の主要症状の1つであるパニック発作(panic attack:PA)は,数多くの身体症状を伴う。したがってPDの鑑別診断では,身体疾患(=医学的疾患medical conditions:MC)や物質・医薬品(substance/medication:SM)の関与について鑑別することが,特に重要となる。実際,PAはさまざまなMCやSMによって誘発される。実臨床において,これらの偽りの(PDによるものではない)PAをいかに見抜くかが,精神科医としての技量と言えよう。筆者らは,以下の3つの段階を経て見抜くよう心掛けている。まずPAを生じた症例がPDの典型例からどれだけ逸脱しているのか(逸脱が大きいほどPDの可能性が低くなる),そして次にSMの存在の有無,を評価する。もし,SMの関与がないとなれば,最後にMCによるPAの可能性について検討し,身体科医へのコンサルトを行う。本稿では,PAを生じさせるMC/SMにはどのようなものがあるのか,必要な検査は何か,についても記述する。
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