内科専門医を志す人に・私のプロトコール
X.外科治療のための転科
西崎 統
1
1聖路加国際病院・内科
pp.1682-1683
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206266
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手術のための転科に際して
内科臨床研修中には,内科の各分野の疾患が,適応に応じて各科へ手術治療のために転科する場合が決して少なくない.たとえば,救急患者の緊急手術時,絶対適応時,比較的適応時,さらに悪性腫瘍の適応時などがある.いずれにしろ,各疾患の手術適応については,いろいろの要素を考慮し,慎重に検討してゆく必要がある.
まず,合併症の有無は大切な要素の1つである.なかでもとくに,心,肺,肝疾患や重症糖尿病などは詳細な検討が必要である.また年齢的要素も手術適応の決定に与える因子の1つであることも忘れてはならない.さらに,内科側と外科側との見解の相違も考慮する必要がある.外科側からすると,おそらく早期の手術が必要なだけでなく,むしろ合併症の起こらない前に外科的に処置すべきと考えるであろう.このことがまた外科治療成績を向上させる一要因であると考えられる.
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