連載 他科との連携
眼科に転科して
藤田 陽子
1
1国立病院機構九州医療センター眼科
pp.2268-2269
発行日 2004年12月15日
Published Date 2004/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100868
- 有料閲覧
- 文献概要
外科医としての5年間
私は現在,眼科医としては3年目になりますが,その前の5年間は外科医をしておりました。テーマが“他科との連携”ということで,複数の科を経験した私に話が来たと思われますので,まず外科医と眼科医の連携について思い出してみました。外科医の頃に眼科との連携が重要であった症例といえば,術後カンジダ血症の患者さんに眼底検査をしていただいたことくらいでしょう。眼科に来て外科の経験が役に立ったことは,ちょっとした発熱や腹痛くらいなら診察できることくらいでしょうか。外科時代の同僚や眼科の先輩にもリサーチしてみましたが,やはり外傷の際に連携が必要なくらいでした。両方の科を経験している私からみても,外科と眼科の連携はそれほど頻度の高いものではないのかもしれません。
しかし外科と眼科の連携という話題を離れますと,話は変わります。まず,外科医にとって他科との連携とは,手術を安全に行うために最も重要なものです。麻酔科はいうに及ばず,内科,婦人科,泌尿器科など他科との緊密な連携なしには,合併症の多い患者さんの手術を成功させることはできません。一方,眼科に来て感じたのは,眼科にはあらゆる科からの紹介患者さんが来られるなあということです。一般的には,内科から糖尿病の患者さんが紹介される頻度が一番高いと思いますが,そのほか,脳外科や神経内科からも,脳血管障害,脳腫瘍,多発性硬化症などの患者さんが多く紹介されます。逆に,時には眼症状で眼科を受診された患者さんが他科の疾患であることがわかることもあります。ここで,少ない私の経験のなかからですが,眼科医として他科との連携の重要性を実感した症例を紹介したいと思います。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.