Editorial
「技術」としてのコミュニケーションを考える
本田 美和子
1
1国立病院機構 東京医療センター 総合内科
pp.565
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200898
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現在、医学のすばらしい研究成果や技術革新が生まれる一方で、臨床の現場ではいろいろな困ったことが起きています。特に「高齢者医療」を巡る問題は、単に医療の分野にとどまらず、国家的な課題として捉えられるようになってきました。私が、初期研修を受けた東京医療センターで2011年の秋に再び働くことになったのも、研修医時代の先輩、鄭東孝先生(p.581)と尾藤誠司先生(p.572)から、「高齢の患者さんがとても多くなって、検査と薬だけでは治せなくなってきた。この問題を解決するために一緒に仕事をしないか」とお誘いを受けたからでした。
もちろん、純粋な医学が医療の本質であることは間違いありませんが、私たちが「届けたい医療」を相手に受け取ってもらうためには、私たちがそれを「届ける技術」を身につけなければならない時代になってきました。そして、これは高齢者のみならず、すべての年齢層のどの患者さんに対しても同様です。
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