特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」
【座談会①】—1980年代 臨床研修指導医派遣制度と家庭医に関する懇談会—“家庭医構想”の光と影
福井 次矢
1
,
木戸 友幸
2
,
伴信 太郎
3
,
松村 真司
4
1聖路加国際病院
2木戸医院
3名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻 総合診療医学分野
4松村医院
キーワード:
臨床研修指導医海外派遣制度
,
家庭医に関する懇談会
,
家庭医構想
,
家庭医機能10項目
,
プライマリ・ケア
,
米国の家庭医専門医
,
新専門医制度
,
総合診療専門医
Keyword:
臨床研修指導医海外派遣制度
,
家庭医に関する懇談会
,
家庭医構想
,
家庭医機能10項目
,
プライマリ・ケア
,
米国の家庭医専門医
,
新専門医制度
,
総合診療専門医
pp.22-32
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200726
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30余年前にも、地域のプライマリ・ケアを担う医師、いわば今で言う「総合診療専門医」の制度化が議論されていた。1985年に設立された、厚生省(当時)「家庭医に関する懇談会」でのことである。このなかで厚生省が提起した“家庭医構想”には強い反対もあり、その報告書では「家庭医機能10項目」が示されるにとどまった。しかし、その後もさまざまに形を変えて検討されてきた「総合診療(専門)医」養成に関する議論の端緒となったことは間違いない。
これに先立ち厚生省は、1980年に「臨床研修指導医海外派遣制度」を創設し、米国の家庭医療やプライマリ・ケアに学んだ医師を、日本のプライマリ・ケアにおける指導医とするべく派遣した。本座談会に集まったのは、この時渡米して学び、それを持ち帰って各々「総合診療」の礎を築いてきた医師たちである。歴史的反復と確かな変化のなかで、1980年代を振り返り、30年来の経緯と今後への期待を語っていただいた。(編集室)
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