特集 卒後臨床研修の必修化を控えて
卒後臨床研修必修化の目指すもの
岩﨑 榮
1
1日本医科大学
キーワード:
改正医師法
,
医師研修審議会
,
家庭医に関する懇談会
,
プライマリ・ケア
,
卒前教育
Keyword:
改正医師法
,
医師研修審議会
,
家庭医に関する懇談会
,
プライマリ・ケア
,
卒前教育
pp.414-416
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100604
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問題が多過ぎたこれまでの臨床研修
35年ぶりの法改正により,卒後の臨床研修制度がようやく必修化されることになった.遅きに失する感なきにしもあらずだが,画期的であり,大いに歓迎すべきことである. 内容的にはいまだ細部にわたって不満足な部分が残されてはいる.とはいえ,ここではまず,必修化をスタートさせなければならない.
国民は患者本位の真のよい医師が養成されることを切望している.そのための臨床研修の必修化なのである.
これまでの臨床研修制度はあまりに問題が多かったことも事実である.努力義務であったことによる弊害である.何よりも問題なのは,ストレート研修になっていて専門医指向であり,基本的臨床能力も身につけないまま専門医になっていくことにあった.また,研修プログラムがお座なりであり,形だけのプログラムで,実際の研修とは裏腹のものとなっていた.さらに指導体制はあってないに等しい.研修の評価では,評価の手順,方法さえ確立されていない.処遇,身分は研修施設によってマチマチである.
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