特集 しびれるんです!─知っておくべきシビレル疾患
ONE MORE GM
pp.410
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200542
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Q1 多発神経炎では,全例で精密検査をしなければいけませんか?
A1 プライマリ・ケア医が遭遇する多発神経炎の多くは,糖尿病やアルコール症によるものと推測されます.そこでルーチンで特殊な検査(甲状腺機能,免疫電気泳動,抗SS-A抗体,神経伝導速度など)を行う必要性は低いと考えます.
筆者は多発神経炎の原因検索を行う基準として,5W1Hでスクリーニングを行っています.すなわち,Who:糖尿病もしくは多飲歴のある患者が,When:年単位でゆっくりと進行する,Where:両下肢先端から始まる左右対称性の,What:運動障害,感覚失調,激しい痛みを伴わない感覚障害を呈し,How:膝下までの分布で日常生活に支障がない程度であれば,経過を見てもよいですが,それ以外であれば積極的に原因検索を行うというものです.
一方で,ビタミンB群欠乏症は比較的高頻度の疾患であること,アルコール症と合併しやすく,多飲歴があっても否定的とはならないこと,検査・治療が容易であることから,常に念頭に置くべき疾患と言えます.
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