特集 ここを知りたい!頭部外傷初期対応・慢性期ケア
ONE MORE GM
pp.672-675
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200289
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Q1 頭部外傷での頭部CT撮影のポイントは?
A1 頭部CTは,国内の救急告示医療機関であればおおむね24時間撮影が可能である.自施設の撮影体制を確認しておく.撮影の際に骨条件も再構成し評価する必要があるが,水平方向の骨折は見落としやすいことに注意が必要である.読影に際しては,頭蓋内のみならず,顔面や頸椎,副鼻腔なども併せて,外傷性変化を伴っているか確認する.
頭蓋内の出血病変や金属の異物は白く(high density),梗塞や浮腫病変は黒く(low density)描出される.木材も,low density lesionとして黒く描出される.持続する出血は,白と黒が混じって(high and low mixed density)描出される.出血後時間の経った古い血腫や貧血患者の出血は,灰色(iso density)に描出されることもある.
病変の局在を読影するのはもちろんのこと,病変によって生じる正常脳の変化も併せて読影する.急性硬膜下血腫,急性硬膜外血腫など,骨と脳の間に生じた血腫は,脳を圧迫し,その結果として正中偏倚をきたす.水平方向への圧排の指標が,脳室の狭小化や正中偏倚であり,垂直方向への圧排の指標として脳溝や脳槽の狭小化が見られる.
神経学的脳圧亢進症状と画像上の頭蓋内圧亢進が一致するようであれば,頭蓋内圧管理が必要になる.自施設で対応困難であれば,対応可能な専門施設への転送を行う.
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