特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
ONE MORE GM
pp.158-159
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200083
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Q1 けがからスポーツ復帰させるポイントを教えてください.
A1 下肢のスポーツ傷害の場合を例にとると,まず歩行などで痛みがあり,荷重できない場合は,OKC(Open Kinetic Chain:オープンキネティックチェーン,開放運動連鎖)という非荷重系のリハビリテーションを行う.下肢挙上などを組み合わせたマット運動や上肢のトレーニング,坐位でできる筋力トレーニングなどである.軽快すればエアロバイクなどを開始する.日常の歩行や動作が痛みなく行える状況まで回復すればCKC(Closed Kinetic Chain:クローズドキネティックチェーン,閉鎖運動連鎖)という荷重系のリハビリテーションを開始する.ステップ,ランジ,片脚立位,バランストレーニングなどである.これはジョギング開始の前段階として重要な要素であり,ラダーなどのコーディネーショントレーニングも混ぜて行い,神経系の回復を図る.ジョギング開始の目安は,階段の下りを痛みなくリズミカルに降りられることである.ジョギングが可能となれば,筋力トレーニングは継続しながら,ランニングの距離とスピードを上げていくことである.ダッシュが可能となればジャンプやアジリティドリルを開始し,専門のスポーツ競技動作へと近づけていく.
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