特集 外来で「複数の疾患」をもつ患者を診る─マルチモビディティの時代のプライマリ・ケア
【総論】
マルチモビディティの時代における診療ガイドライン—複数の疾患をもつ患者にガイドラインを適用する際に考慮すべきこと
南郷 栄秀
1
1東京北医療センター 総合診療科
キーワード:
診療ガイドライン
,
GRADEシステム
,
患者中心のアウトカム
,
マインドライン
Keyword:
診療ガイドライン
,
GRADEシステム
,
患者中心のアウトカム
,
マインドライン
pp.1093-1097
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200407
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「診療ガイドライン」とは
■システマティックレビューとEBMの手順で
日本医療機能評価機構のMindsガイドラインセンターによると,「診療ガイドラインは,科学的根拠に基づき,系統的な手法により作成された推奨を含む文書」1)とされている.つまり,その作成はエビデンスをもとにしており,また一定の方法で作成することが定められている.
一方,米国科学アカデミー(National Academy of Sciences:NAS)の医学研究所(Institute of Medicine:IOM)の報告書“Clinical Practice Guidelines We Can Trust”2)では,信頼できる診療ガイドラインの定義として「診療ガイドラインは,エビデンスのシステマティックレビューと複数の治療選択肢の利益と害の評価に基づいて,患者ケアを最適化するための推奨を含む文書である」と書かれている.その作成手順は図1のとおりである.
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