特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 2─理詰めで追い詰める感染症編❸】
There's no such thing as a FREE lunch!
宮内 亮輔
1
,
和足 孝之
2
1東京城東病院 総合内科
2マヒドン大学 熱帯医学部
キーワード:
インフルエンザ
,
顔面神経麻痺
,
Bell麻痺
,
特発性
,
第7脳神経(CN Ⅶ)
Keyword:
インフルエンザ
,
顔面神経麻痺
,
Bell麻痺
,
特発性
,
第7脳神経(CN Ⅶ)
pp.941-944
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200364
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Case
20代“キャバクラ”勤務女性の右顔面麻痺
患者:20代,女性.
現病歴:1月,来院7日前に38℃台の発熱と関節痛,くしゃみを認め近医を受診.インフルエンザ簡易キットにより「インフルエンザA型」と診断され,対症療法を受けた.来院1日前から右耳痛および右舌の温感低下,右顔面麻痺がみられ当院を受診.診察時,味覚の低下も訴えたが,その他の症状は認めなかった.職業は“キャバクラ”店(本人談)勤務.コンドーム使用によるボーイフレンドとの性行為歴があった.
身体所見上,右前頭部にしわ寄せと,右眼の閉眼が不能,右口角の麻痺を認めた.他の感覚異常は認められなかった.単純ヘルペスウイルス(HSV),Epstein-Barrウイルス(EBV),サイトメガロウイルス(CMV),ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等の血清学的検査を含めた検査結果は陰性であり,胸部X線,造影頭部MRIでも異常所見は認められず,「インフルエンザA型感染に伴う顔面神経麻痺」と診断.プレドニゾロンを7日間処方され,後遺症を残すことなく改善した.
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