特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
【総論】
プライマリ・ケアの現場で必要なスポーツ医学とは
小林 裕幸
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
キーワード:
doctor stop
,
return-to-play
,
アスレチックリハビリテーション
Keyword:
doctor stop
,
return-to-play
,
アスレチックリハビリテーション
pp.106-109
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200068
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Case
通院中の中年男性,運動許可は?
患者:43歳男性.
現病歴:高血圧,脂質異常症,肥満あり,内服治療中.
相談内容:同僚の友達にフットサルに誘われた.学生時代,サッカー部で,やせていて持久力はあったが,仕事をしてから運動せずBMI 30.診療所に定期受診で相談された.
対処法:まずは,心血管系のリスクを評価,運動前のメディカルチェックを行う.Paffenbargerのハーバード大学同窓生の研究2)によると,学生時代に激しい運動を行っていた人が長期間にわたりやめてしまうと,運動をずっとしていなかった対照に比べ,心血管系のリスクが高いという疫学的報告がある.原因は明らかではないが,学生時代の食事を含めた生活習慣が,運動を中止した後も続いた可能性がある.高強度の身体活動ができること自体は,独立した心血管系リスクの低下となるが,本症例では心血管系リスクが高く,運動負荷心電図などの運動前のスクリーニングが望ましい.
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