Japanese
English
特集 肝細胞癌と鑑別を要する多血性腫瘤
症例呈示
アルコール性肝硬変に生じた3結節の切除例
A resected case of three different hepatic nodules in patient with alcoholic liver injury
岩井 孝史
1
,
田中 弘教
1
,
中島 収
2
,
飯島 尋子
1
Takashi IWAI
1
,
Hironori TANAKA
1
,
Osamu NAKASHIMA
2
,
Hiroko IIJIMA
1
1兵庫医科大学病院 肝胆膵内科
2久留米大学 中央臨床検査部
1Division of Hepatobiliary and Pancreatic Disease,Department of Internal Medicine,Hyogo College of Medicine
2Clinical Inspection Department,Kurume University School of Medicine
キーワード:
アルコール性過形成結節
,
肝細胞癌
,
造影超音波検査
,
OATP1B3
,
肝細胞造影相
Keyword:
アルコール性過形成結節
,
肝細胞癌
,
造影超音波検査
,
OATP1B3
,
肝細胞造影相
pp.429-437
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100604
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要旨
患者は40歳代後半の男性で,アルコール性肝障害の精査目的にUS施行したところ,肝S2に15mmの高エコー,S3に18mmの低エコー,S7に20mmの等エコー結節を認めた.いずれの結節も乏血性であり経過観察していたが,S7の結節が経過観察中多血化したため腫瘍生検を施行したところ,高分化肝細胞癌が疑われ切除した結果,典型的な肝細胞癌の造影パターンを呈したS7の結節は過形成結節であり,Kupffer相が等輝度のS2の乏血性の結節が高分化肝細胞癌であった.すべての結節でOATP1B3の発現低下を認めた.S2の結節は著明な鉄沈着を認め,Kupffer相で低輝度とならなかった機序との関連が示唆された.
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