Japanese
English
特集 アルコール性肝障害における結節性病変―画像と病理
主題症例
肝細胞癌と鑑別を要したアルコール性過形成結節の1例
A Case of the Hyperplastic Nodule Which Mimicked HCC Feature in the Alcoholic Cirrhotic Liver
福永 豊和
1
,
田北 雅弘
1
,
辰巳 千栄
1
,
工藤 正俊
1
Toyokazu FUKUNAGA
1
,
Masahiro TAKITA
1
,
Chie TATSUMI
1
,
Masatoshi KUDO
1
1近畿大学医学部消化器内科
1Division of Gastroenterology and Hepatology,Department of Internal Medicine,Kinki University School of Medicine
キーワード:
アルコール性過形成結節
,
肝細胞癌
,
SPIO-MRI
,
造影超音波
,
経過観察
Keyword:
アルコール性過形成結節
,
肝細胞癌
,
SPIO-MRI
,
造影超音波
,
経過観察
pp.573-577
発行日 2006年9月15日
Published Date 2006/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100199
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アルコール性肝硬変は肝細胞癌の発生母地となるが,結節性病変を生じやすく時に動脈多血性の過形成結節が生じその鑑別は重要である.
今回筆者らは,肝細胞癌と鑑別を要したアルコール性過形成結節の経過観察例を経験した.
画像診断では肝S4からわずかに突出する径18mm大の腫瘤で,CTでは早期相で濃染を認めたが,平衡相では周囲肝と等吸収を呈した.SPIO-MRI T2強調像で周囲肝より低吸収域を示し,網内系の機能亢進が示唆された.病理組織では細胞密度の増大,索状配列の不規則化,異常小動脈,類洞細胞の増加が見られ,アルコール性肝障害に見られる過形成結節と診断した.本症例は断酒の結果,縮小傾向であり,自然経過を解明するうえで示唆に富む症例と考えられる.
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