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特集 早期肝細胞癌の画像診断update
各論
早期肝細胞癌の画像診断
動注CT(CTHA/CTAP)
Imaging diagnosis of early hepatocellular carcinoma and roles of CT during intraarterial injection of contrast material
塚原 嘉典
1
,
上田 和彦
1
,
酒井 克也
1
,
深澤 歩
1
,
小沢 岳澄
1
,
加賀美 聡之介
1
,
小松 舞
1
,
小松 大祐
1
,
高橋 正明
1
,
藤田 顕
1
,
杉山 由紀子
1
,
角谷 眞澄
1
Yoshinori TSUKAHARA
1
,
Kazuhiko UEDA
1
,
Katsuya SAKAI
1
,
Ayumu FUKAZAWA
1
,
Takesumi OZAWA
1
,
Sounosuke KAGAMI
1
,
Mai KOMATSU
1
,
Daisuke KOMATSU
1
,
Masaaki TAKAHASHI
1
,
Akira FUJITA
1
,
Yukiko SUGIYAMA
1
,
Masumi KADOYA
1
1信州大学 医学部 画像医学講座
1Department of Radiology,Shinshu University School of Medicine
キーワード:
多段階発癌
,
血行支配
,
早期肝細胞癌
,
動注CT
Keyword:
多段階発癌
,
血行支配
,
早期肝細胞癌
,
動注CT
pp.309-316
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100579
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要旨
早期肝細胞癌は門脈供血が保たれ,動脈供血が非多血の肝細胞性結節である.この条件を満たす結節は複数の種類に分けられる.古典的肝細胞癌への移行しやすさの観点からこれらの結節をみると,多血巣を内包する結節が古典的肝細胞癌によって結節全体が短期間に置換される頻度が最も高く,門脈供血が減少し,動脈供血が背景肝と同等の結節がこれに続く.一方,門脈供血が背景肝と同等の結節はGd-EOB-DTPAをはじめほかのモダリティで検出されても古典的肝細胞癌に移行しないか,もしくはたとえ移行しても年単位の年月を有する.以上から,①多血巣を内包する結節は加療対象,②背景肝と門脈供血減少-動脈供血同等の結節は極めて注意を有する観察対象結節,③門脈供血同等の結節は観察すべき結節といえる.臨床上,特に重要なのは①と②③の区別なので,結節全体か一部かを問わず多血性の検出には慎重でありたい.それにはダイナミックCTやダイナミックMRIの精度管理を徹底することと,外科的切除前などの際にはCTHAを使用することの2点が必須である.
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