臨床医の放射線線量管理―放射線防護の基礎知識・4
MRI
大野 和子
1
1京都医療科学大学
pp.638-640
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100471
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MRI検査は死亡事例がある
MRI検査は,放射線を用いないから,安心して実施できると,多くの医療関係者が考えています.しかし,実際に検査中の患者死亡事故報告が,複数存在します.CT検査や一般撮影では,検査が原因と考えられる死亡事故報告はありません.医療安全から考えれば,MRI検査のほうが危険度が高いと言えます.
例えば2001年に,ニューヨーク州の病院で,MRI検査室内に持ち込まれた酸素ボンベが撮影中の患児の頭を直撃し死亡する事例が発生しました.MRIの磁力にボンベが吸い寄せられたためです.読者の皆様の病院では,MRI検査室近くにボンベが飛ぶ様を表したポスターを掲示している施設も多いと思います.この事故の再発防止目的で世界中に配布されたものです.
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