臨床医に役立つ実践病理診断 病理医から臨床医へのメッセージ・5
胆管癌
山野 三紀
1
,
和田 了
1
,
松本 道男
1
,
前川 博
2
,
佐藤 浩一
2
,
玄田 拓也
3
,
市田 隆文
3
,
趙 成済
4
,
小川 薫
5
,
森 俊治
6
Miki YAMANO
1
,
Ryo WADA
1
,
Michio MATSUMOTO
1
,
Hiroshi MAEKAWA
2
,
Koichi SATO
2
,
Takuya GENDA
3
,
Takafumi ICHIDA
3
,
Narisumi CHO
4
,
Kaoru OGAWA
5
,
Shunji MORI
6
1順天堂大学医学部附属静岡病院 病理診断科
2順天堂大学医学部附属静岡病院 外科
3順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科
4順天堂大学医学部附属静岡病院 放射線科
5順天堂大学 保健看護学部
6静岡赤十字病院 外科
1Department of Pathology,Juntendo University Shizuoka Hospital
2Department of Surgery,Juntendo University Shizuoka Hospital
3Department of Gastroenterology,Juntendo University Shizuoka Hospital
4Department of Radiology,Juntendo University Shizuoka Hospital
5Juntendo University School of Health Science and Nursing
6Department of Surgery,Japanese Red Cross Shizuoka Hospital
キーワード:
胆管癌
,
肉眼型
,
隣接臓器原発癌との鑑別法
Keyword:
胆管癌
,
肉眼型
,
隣接臓器原発癌との鑑別法
pp.195-204
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100375
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要旨
解剖学的・組織学的特異性から,肝外胆管癌の特徴として,①腫瘍の上流側(肝側)・下流側(十二指腸側)に粘膜内側方進展(水平方向)がしばしばみられること,②深部(垂直方向)に浸潤する場合は,胆管壁が薄いため,隣接臓器(胆囊管,膵頭部,乳頭部,十二指腸,十二指腸間膜内主要血管など)へ浸潤しやすいこと,③周囲の末梢脈管や毛細血管などが豊富なため,静脈・リンパ管への侵襲頻度が高いこと,が挙げられる.また,胆管癌との鑑別に苦慮することが多い隣接する臓器由来の癌,例えば下部胆管では膵頭部癌や乳頭部癌,中部胆管では胆囊管癌など,各癌の粘膜内癌をみつけることと癌細胞の異型度に着目することが重要である.
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