Japanese
English
症例報告
非典型的画像所見を呈した膵内分泌腫瘍の1例
A Case of Pancreatic Endocrine Tumor Showing Atypical Imaging
中村 和人
1
,
糸井 隆夫
1
,
祖父尼 淳
1
,
糸川 文英
1
,
森安 史典
1
,
渡辺 英伸
2
,
三室 晶弘
3
,
小澤 隆
3
,
青木 達哉
3
,
水村 泰夫
4
Kazuto NAKAMURA
1
,
Takao ITOI
1
,
Atsushi SOFUNI
1
,
Fumihide ITOKAWA
1
,
Fuminori MORIYASU
1
,
Hidenobu WATANABE
2
,
Akihiro MIMURO
3
,
Takashi OZAWA
3
,
Tatsuya AOKI
3
,
Yasuo MIZUMURA
4
1東京医科大学病院内科第4講座
2新潟大学大学院医歯学総合研究科遺伝子制御講座 分子・診断病理学分野
3東京医科大学病院外科第3講座
4西東京総合病院消化器内科
1Fourth Department of Internal Medicine,Tokyo Medical University
2Division of Molecular and Functional Pathology,Graduate School of Medical and Dental Science,Niigata University
3Third Department of Surgery,Tokyo Medical University
4Division of Gastroenterology,Nishi-Tokyo Sogo Hospital
キーワード:
膵内分泌腫瘍
,
造影効果
,
血管密度
,
VEGF
Keyword:
膵内分泌腫瘍
,
造影効果
,
血管密度
,
VEGF
pp.887-892
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100401
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要旨 今回筆者らは,腫瘍径が40mmと比較的大型にもかかわらず,典型的な腫瘍濃染像を呈さない膵内分泌腫瘍を経験した.
本症例は腫瘍内の比較的太径の血管や腫瘍内の間質が少なく,その間質にも本来多数存在するはずの血球を有する豊富な血管腔をほとんど認めず,代わりに硝子様変性物質を多数認めた.免疫染色による検討では細径の血管数も少なく血管内腔もつぶれたような形態を呈していた.また,血管新生因子の1つであるVEGF発現を腫瘍内にほとんど認めなかった.したがって本症例では何らかの原因によりVEGFが産生されずその結果として血管新生が促進されなかったため腫瘍の大きさの割に典型的な腫瘍濃染像を呈さなかったものと考えられた.
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