Japanese
English
特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
胆道癌のハイリスクグループ
膵液胆道逆流現象と胆道癌
Pancreatobiliary reflux and the screening for the biliary tract neoplasms
本田 五郎
1
,
倉田 昌直
1
,
神澤 輝実
2
Goro HONDA
1
,
Masanao KURATA
1
,
Terumi KAMISAWA
2
1がん・感染症センター都立駒込病院 肝胆膵外科
2がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科
1Department of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery,Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center,Komagome Hospital,Tokyo
2Department of Gastroenterology,Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center,Komagome Hospital,Tokyo
キーワード:
膵液胆道逆流現象
,
膵・胆管合流異常
,
潜在的逆流現象
,
胆道癌
,
C-tube
Keyword:
膵液胆道逆流現象
,
膵・胆管合流異常
,
潜在的逆流現象
,
胆道癌
,
C-tube
pp.189-196
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100246
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要旨
膵胆管合流部にOddi括約筋作用が及ばない膵・胆管合流異常(以下,合流異常)では,膵液胆道逆流現象(以下,逆流現象)が容易に起こり,胆道粘膜への持続的な刺激により胆道癌を高率に発症する.なかでも逆流した膵液が停滞する胆囊での発癌リスクが最も高いが,胆管拡張型では拡張した胆管での発癌リスクも同様の理由で高くなる.さらに最近では,合流異常がなくても逆流現象が起きている症例が存在することが明らかになっており,このような潜在的逆流現象も合流異常に近似して発癌リスクとなることが予想される.しかしながら,正常な膵胆管合流部における逆流現象は間歇的に起こるため,容易に検出することができないのが現状である.
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